ドイツのカメラ
@ レンジファインダー コーナー


Vitessa L (ビテッサL)

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カッコ悪いと言う方もいますが、
僕はビテッサのデザインには
好感がもてます。
機能美を感じられる作りを
していると思いませんか。
Voigtlander (1954年)
 初めて見る人にはとても奇妙に映るこのカメラは、フォクトレンダ−社(西独)が一番元気だった時に作られた35oスプリングカメラです。同社が得意とする独創的で斬新な設計は、50年代を代表するカメラとして現在では高く評価されていますね。
 つくりはとてもGooで上下軍艦部は加工の難しいスチールで出来ていて、ボディと蛇腹部は皮張りが施されています。表面にビスなど一つも無いところがさすがドイツ製と思わせます。
 使い方は、まず左に位置するレリーズボタンを押します。すると前蓋が観音開きに開き、レンズが"バサッ"とセリ出し固定、同時に右側のプランジャーと呼ばれる棒が飛び出します。次にこのプランジャーを根元まで押し込むと、巻き上げ、シャッターチャージが同時に行われレリーズできる状態になります。軍艦部の露出計の数字と絞りの数字をあわせると、適正露出でシャッター速度と絞りを決定できます(ライトバリュー方式)。ファインダーを見ながら背面にあるギアを親指で回してピントをとり、そしてシャッターレリーズ。レンズを収納するときは、まず前蓋を外側に広げながらレンズを押し込み蓋を"カチッ"と閉め、プランジャーを押し込み終了。巻き戻しは、底面にあるクランクを回します。ちなみにフィルムカウンターは前面右側に位置します。
 レンズはウルトロン。描写は柔らかめで、カラーは原色に近いほどの発色があるんです(実際、かなりよく写りますよ)。
 外見から"煙突"とか"ガマグチ"などと揶揄されてきたビテッサですが(発売当時)、操作性が良く、ギミック的要素がふんだんに組み込まれているこのカメラは、メカ好きの僕にはたまらない、決して手放せない存在なんです。コレクション中の1番のお気に入り。

裏蓋は取り外せます。





収納されると大変
コンパクトになります。
皮ケースもこの様に
平べったい作りです。

レンズを収納すると
ポケットに入るサイズに!!



正面左のボタンを押すと扉が開いて
レンズが出てきます。

左に突き出た棒を押すと
巻上げが出来るんです。
上面右側には
露出計メーターが位置します。
(シャッター)
レンズシャッター方式
Synchro Compur
T,B,1〜1/500sec
(レンズ)
Voigtlander Ultron
50o f2.0(vitessa)
(ファインダー)
逆ガリレイ透視式
(ピント調整)
一眼二重像合致式
連動距離計
(露出計)
セレン光電池
単独 指針露出計
(シンクロ)
X,M接点
(フィルム巻き上げ)
プランジャー式
(セルフタイマー)

あり
(サイズo、重量)
W135 H80 D45
700g



Contessa 35 (コンテッサ 35)

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蛇腹カメラなのに蛇腹が見えない。
こんな所も伯爵夫人らしいのかな。
ボディは美しいグッタペルカの
皮張りが施されています。



レンズ横の小さなレバーで
シャッターチャージ、
大きなレバーで
シャッターレリーズ。
zeiss ikon(1950年)
 完全にシンメトリックにまとめられたデザインから浮かび上がってくる気品。コンテッサ・・・伯爵夫人という名にふさわしいスタイルをしたこのカメラは、1950年代を代表する蛇腹式スプリングカメラです。
 撮影時はまず、前面の小さく丸いポッチを押し下げ前蓋を開け、レンズ鏡胴部を前に出します。次に底面のノブを回しフィルムを巻き上げるのですが、この時シャッターチャージはセルフコッキング式ではないので、レンズ横の小さなレバーを引き上げシャッターチャージをしなければなりません・・・んー、何ともクラシカル!! 次に軍艦部右の露出計に合わせてレンズボード上にある絞りとシャッタースピードダイアルを設定。ピント合わせはレンズ最前面のダイアルで行います。下で紹介するスーパーイコンタと同じドレイカイル方式と呼ばれるツノ状の連動距離計が目立ってますね。シャッターレリーズも変わっていて、レンズ横の大き目のレバーを押し下るとシャッターが切れる仕組みになっています。巻き戻しは底面の巻き上げノブにあるボタンを押しながら、横の巻き戻しノブをクルクル回して行います。
 レンズはテッサー。45oですのでスナップ写真にはもってこいと思いますよ。
 手の平に収まる小柄なボディには、ツァイスらしい高機能メカがぎっしりと詰まっていてメカマニアを決して飽きさせない魅力溢れるカメラなのですが、それだけに操作法もクラカメ1、2を争うほどの難しさを誇っています。伯爵夫人を名乗ってはいますけど、決してご婦人方が使うような簡単カメラじゃないんですね。 

フィルム送りは普通の
カメラとは逆方向。
2重露出防止の為、
スプーロケットが
回らないとシャッターが
切れない仕組みに
なっています。

ZeissIkonプレートの真中の
ポッチを押し下げると
レンズが出てきます。



左が露出計、右がファインダー。
レンズ上の"ツノ"は連動距離計。
このカメラの特徴の1つです。

上部右側に位置するのが露出計。
絞りに対するシャッタースピードが
直接表示されているので分りやすいです。



底面に巻上げと巻き戻しノブがあります。
フィルムカウンターもここに。
(シャッター)
レンズシャッター方式
Synchro Compur
T,B,1〜1/500sec
(レンズ)
Carl Zeiss Tesser
45o f2.8
(ファインダー)
逆ガリレイ透視式
(ピント調整)
一眼二重像合致式
連動距離計
ドレイカイル方式
(露出計)
セレン光電池
単独 指針露出計
(シンクロ)
X,M接点
(フィルム巻き上げ)
ノブ式(底面)
(セルフタイマー)

なし
(サイズo、重量)
W130 H85 D50
620g



Super Ikonta 532/16 (スーパーイコンタorスーパーシックス)


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びょ〜んと伸びる蛇腹と
レンズ上のツノが目立つカメラ。

このカメラは不動のジャンクとして
入手したのですけど、
壊れていた個所は巻上げ部だけ
でしたので、簡単に修理完了。
高級機がとても安く手に
入ったので満足満足。
zeiss ikon(1938年)
 どっしりとした重量感とグッタペルカの触りごこち。上面のボタンを押すと、レンズと羊皮の蛇腹がスーっと静かに出てくる所は何ともいい感触!! スーパーイコンタは、ツァイスのちょっとした高級感が味わえるカメラなんです。
 操作法はまず、前蓋を開きレンズを前に固定したら、上面右のノブを回しフィルムを巻き上げます。次にレンズ鏡胴上のレバーを押し上げシャッターチャージ。絞りとスピード調整はレンズ上のダイアルで設定。ピント合わせはレンズ右横にあるダイアルを回して行います。このカメラの特徴はピント合わせ機構で、ドレイカイル方式と呼ばれるツァイス独自の楔形プリズムによる連動距離計がレンズ上に乗っていて、レンズの伸び縮みと連動して、このプリズムも動いて焦点を合わせる仕組みとなっています。上面右のボタンを押してシャッターレリーズ。このカメラはロールフィルム仕様ですから、巻き戻しの必要はありません。
 レンズはカールツァイスのテッサー。白黒フィルムしかない時代の製品ですからレンズはコーティングされていませんが、カラー撮影も問題なくOK。テッサーの写りの良さからピカソも愛用していたとか。
 戦前のツァイスの集大成とも言える高技術がいっぱい詰まったスーパーイコンタは、広く民衆の間に受け入れられ、6×6の画面サイズから日本ではスーパーシックスの愛称で親しまれたそうです。
 そうそう、蛇腹のカメラって現代では作ることが出来ないらしいですね。と言うのも、蛇腹の皮加工が難しく、加工技術も今では残っていないみたいです。僕はこんな芸術品とも思える蛇腹カメラに魅力を感じるのですが、皆さんはいかがですか。

フィルムは6×6の
120タイプの
ロールフィルムです。





速写ケースは
とても頑丈な作り。
全皮製です。

前蓋にはZeissIkonのロゴ。
上面のボタンを押すと
前蓋がスッと開きます。



レンズ左横のツノは
小型望遠鏡とも呼ばれる
高精度な連動距離計。

一番右のノブで巻き上げます。
ノブ横のポッチがシャッターレリーズ。
その横の円形のものが
フィルムカウンターです。

6×6の120判フィルムですので
普通は12枚撮りなのですが、
このカメラだと11枚撮り。贅沢?
(シャッター)
レンズシャッター方式
CompurRapid
T,B,1〜1/400sec
(レンズ)
Carl Zeiss Tesser
80o f2.8
(ファインダー)
逆ガリレイ透視式
(ピント調整)
一眼二重像合致式
連動距離計
ドレイカイル方式
(露出計)
なし
(シンクロ)
なし
(フィルム巻き上げ)
ノブ式キー巻き上げ

(セルフタイマー)

あり
(サイズo、重量)
W150 H105 D50
970g



Rollei 35 (ローライ 35)


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撮影時はこの様にレンズを
ビヨ〜ンと伸ばします。
このブラック仕様は、
ローライのシンガポール工場製。
ドイツ製ではないのですが、
工作精度は非常に高い物です。
Franke&Heideche (1966年)
 手の平に載せても余りある小っちゃくコンパクトなボディに高機能メカをギューっと詰めこんだ小型カメラ。日本製の"オリンパスペン"の大ヒットしていた時代、本国ドイツでもコンパクトなカメラが作れないものかと努力した結果がコレ。でも"ペン"とは全く別物、とっても高級な作りをしています。値段もね。(ちなみにこれは安くジャンク入手した物、どうにか直りました)。
 どこから何処までもオリジナルって感じのカメラで、操作法は難しいですね。まず撮影時、収納されているレンズをビヨ〜ンと伸ばして固定。後にレンズの左右にある絞りとシャッタースピード調整ダイアルを露出計の適正値に合わせて設定します。残念ながら距離計は付いてないので、目測でピントを合わせシャッターレリーズ。目測だからピンボケが心配されますが、絞り値を8以上に設定するとピシっと綺麗に写るんですって。コンパクトながら あなどれません。巻き戻しはファインダー横にあるリワインドレバーを倒した後、底面のクランクを回して行います。
 そう、沈胴レンズを収納するには、一度巻き上げてから、シャッターボタン隣のボタンを押しながらレンズのロックを外し押し込みます。またレンズが縮んだままだとシャッターは切れない仕組みになっているので、この機構を知らないショップでは、シャッターが切れないジャンクカメラとして売られた事もあったとか。
 ローライ35は持ちにくく、しかも扱いにくい設計で、カメラとして使い易いタイプとはお世辞にも言えませんね。でもゴロっとした金属の重さと工作精度の高い作りはドイツ気質を感じさせるスタイルで、とても好感が持てます。

一般的な35o
フィルム仕様です。
フィルムを通してから
圧板を倒します。
裏蓋は外せます。

正面から見ると
つぶらな瞳のタコみたいな顔ですね。
口(レンズ)がビヨ〜ンと伸びます。

レンズ左側のダイアルが絞り設定、
右側がシヤッタースピードダイアル。
操作感覚はあまり良くないんです。

上面には巻き上げレバーと露出計。
シャッターボタンの隣には
レンズ収納ボタンがあります。



底面は複雑!!
左から巻き戻しクランク、カウンター、
裏蓋開閉レバー、アクセサリーシュー。
(シャッター)
レンズシャッター方式
B,1/2〜1/500sec
(レンズ)
Tesser 40o f3.5
(ファインダー)
逆ガリレイ透視式
アルバダ式
ブライトフレーム
(ピント調整)
目測式
(露出計)
Cds
連動追針式
(露出制御)
マニュアル
(シンクロ)
X接点
(フィルム巻き上げ)
レバー式
(セルフタイマー)

なし
(サイズo、重量)
W100 H75 D45(収納時)
360g



Vitomatic Ua (ビトマチック2a)


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突起部を極力押さえた設計を
謳っているのですが、
レンズがボコって目立ちますね。
Voigtlander (1959年)
 ビトマチックって言います。なんかメカメカしい響きでドイツ製らしさを匂わしてくれますね。フォクトレンダーの最盛期の製品で、同社らしいすっきりしたデザインと所どころ手の込んだ工夫が隠されている面白いカメラです。
 その工夫はと言うと、まず巻き上げレバー、普通は軍艦部上に目立つ様に設計されてますが、ビトマチックの場合は軍艦部に挟み込まれた平べったいレバーとなっています。一見するとレバーが存在しないのかなって思えるスタイルですね。次に巻き戻しノブ、これもコンパクト化の為に普段はボディ内に押し込まれていて、巻き戻しが必要な時に側部のボタンを押すと"ポンっ"とノブがホップアップする仕組みになっています。あともう一つ、裏蓋の開閉方法も面白く、低部のツマミをねじるとパトローネの入る部分が開き、裏蓋を開ける事無く撮影済みのフィルムを取り出せるんです。これらの機構はビトマチックシリーズをはじめ、ビトーBやCLRなどの'60年代のVitoシリーズに共通してみられます。
 ファインダーは等倍で非常に明るいブライトフレームです。この2aモデルでは、絞りと連動した追針式露出計がファインダー内で確認できるので、カメラを構えたまま適正露出を設定することが出来ます。
 レンズはカラースコパー50o、フォクトの標準的なレンズですね。口径の大きいウルトロンレンズを備えたモデルも存在するんですが、発売数が少なくまた人気もあるので2倍程の高値が付いている場合もある様です。
 '60年代後半になるとフォクトレンダーの製品は多所に簡素化が図られて、チープなカメラメーカーへと変っていって、やがて滅亡してしまいました。クラカメ黄金期とも言える'50年代のカメラを手にすると、コストを考えず作りたいものを存分に作っていた製作者の意気込みさえ伝わってきますよ。

ケースはオリジナルでなくブラウン社製。
ネジ穴の位置が違ったのですが、本体とピッタリ収まりました。

側部のスイッチを押すとこの様に
巻き戻しノブがホップアップします。
ファインダーは大きく明るいですよ。

巻き上げレバーはボディの後ろ側に。
絞りと連動した追針式露出計は
上部とファインダー内で確認できます。



フィルムカウンターは低部に。
裏蓋は低部の蓋を開けてから開く
2段階構造です。
(シャッター)
レンズシャッター方式
Prontor SVK-V
B,1〜1/500sec
(レンズ)
Color Skoper
50o f2.8
(ファインダー)
逆ガリレイ透視式
ブリリアントフレーム
(ピント調整)
一眼二重像合致式
連動距離計
(露出計)
セレン光電池
連動追針式
(露出制御)
マニュアル
(シンクロ)
X,M接点
(フィルム巻き上げ)
レバー式
(セルフタイマー)

あり
(サイズo、重量)
W120 H80 D80
760g



Paxette SuperUBL (パクセッテ スーパー2BL)

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コンパクト設計のカメラ。
各所に凝ったメカが
隠されています。

巻き上げはライカM3と同じ
2度巻き上げが必要。
Braun Nurnberg (1957年)
 パクセッテ、いやパキセッテかな、もしかしてパセッテかも・・・と何と読んだらいいのか日本人には難しいつづりですね。製造はドイツブラウン社で、これまた日本では馴染みの薄いメーカー。でもコンパクト設計ながら基本性能の整った素晴らしい作りをしたカメラなんですよ。
 フィルムを巻き上げようと思って後面を見ると、おやっレバーが2つあります。巻き上げは右のレバーですけど、では左のはと言うと・・・巻き戻しレバーなんですよ。巻き戻し時はリワインドボタンを押しながら、左のレバーをクリクリ引く操作をします。レバーが2つあるカメラなんて ちょっと面白いかも。
 レンズはStaeble choro(これもなんて読むんだろう?) 38oですのでスナップ向きだと思います。そうそう、パクセッテはレンズシャッター機ながら全玉レンズ交換が出来ちゃいます。専用マウントで数種類発売されていました。
 ツァイス等のドイツカメラと比べるとブランド性の低いメーカーですが、巻き戻し・露出計など各所に目を見張る凝った作りが感じられます。これからはブラウン社の製品に注目・・・かな。

縫い目が無く綺麗に
形成されたケース。
肩から提げると
小さなバックみたい。

レンズは交換が可能です。
(Paxette専用マウント)
シャッターボタンはレンズ横に。



あまり見かけないタイプの
単独露出計。
ISOを設定したのち
横のボタンを押して測光、
ボタンを離すと絞りに対する
シャッタースピード値が表示されます。

巻き上げレバー横のボタンが
巻き戻し(リワインド)ボタン。
アクセサリーシューの前には
フィルムカウンターがあります。



左のレバーが巻き戻しレバーです。

裏蓋は完全に外れるタイプ。
ローライ35と同じく
フィルムを通してから
圧板を倒してセットします。
(シャッター)
レンズシャッター方式
Prontor SVS
B,1〜1/300sec
(レンズ)
Staeble choro
38o f3.5
(ファインダー)
逆ガリレイ透視式
(ピント調整)
一眼二重像合致式
連動距離計
(露出計)
セレン光電池
単独 露出値表示型
(露出制御)
マニュアル
(シンクロ)
X,M接点
(フィルム巻き上げ)
レバー式
(セルフタイマー)

あり
(サイズo、重量)
W115 H80 D70
620g



Retina Vc (レチナ 3c)

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蛇腹カメラなのに蛇腹が外から
見えない作りになっています。
おしとやか?
Kodak(AG) (1954年)
 レチナは1934年にコダック社が35oフィルム販売促進のために作ったカメラと言われてます。ライカ、コンタックスの半額以下で販売され写りも良かったのでレチナシリーズは大成功し、後に何十ものバージョンが生まれました。レチナVcは最終期の製品で蛇腹式スプリングカメラの完成形といえるカメラですね。
 前面右の白いポッチを引き、前蓋を開けるとレンズが"ニョキ"っと出てきます。前蓋を90度になるまで引くとレンズがロックされ撮影準備にとりかかれます。巻き上げとシャッターチャージは底面にあるレバーを引いて行います。露出計は上面にあり、屋外ではセレン電池面にカバーをして測光します(僕のレチナはカバーが壊れていたため、自作カバーが付いています)。絞りとシャッタースピードは連動していて(LV方式)常に適正露出で撮影できるようになっています。ピントは前面の黒い半円形のノブで合わせます。注意しなければならないのはフィルムカウンター(逆算式)で、カウンターが1になると巻き上げにロックがかかり動かなくなります。これはフィルムが切れない為の安全装置なのですが、初めて触る人は必ず「壊しちゃった」と思うようです。このセーフティーロックをはずす方法は、カウンター上のボタンを押しながら背面のボタンをスライドさせればいいのですが、この装置に困惑した方たくさんいるんじゃないかな。レンズを収納するときは距離計を無限遠にセットした後、レンズボード上下にあるボタンを押して前蓋を閉じます。
 レンズはシュナイダーのクセノン。シャッター面より前の前玉部分のみ交換可能です。写りはシャープ。
 このカメラのフィルムカウンターには泣かされました。カウンターのことを知らずに購入し、巻上げが止まったところで「しまった」と思い、冷や汗をかきながら丸一日かけて分解。ようやくその仕組みを知ったのでした。 

巻き上げは底面の
レバーで行います。

セレン露出計のキャップは
自作しました。

フィルムカウンターは背面のボタンを
スライドさせてリセットします。
(シャッター)
レンズシャッター方式
SyncroCompur
B,1〜1/300sec
(レンズ)
SchneiderKreuznach
Xeon
50o f2.0(Retina)
(ファインダー)
逆ガリレイ透視式
(ピント調整)
一眼二重像合致式
連動距離計
(露出計)
セレン光電池
単独 指針露出計
(シンクロ)
X,M接点
(フィルム巻き上げ)
レバー式 (低部)
(セルフタイマー)

あり
(サイズo、重量)
W130 H85 D50
665g



Agfa Karat (アグファ カラート)


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蛇腹が目立つコンパクトカメラです。
Agfa (1941年)
 戦前のまだ35oパトローネ入りフィルムが一般的でなかった時代、カラートカセットと呼ばれた12枚撮りカセットフイルムを用いたスプリングカメラがこのアグファカラートです。
 ボディーは皮張り(鮫皮?)、蛇腹部は羊皮が張ってあり高級感があります。そして、手のひらに収まるほどのコンパクトさ。ポケットに忍ばせて持ち運びたいカメラなんですよ。でもフィルムがないからなぁ。
 正面右上部の小さなボタンを右に押すとレンズが勢い良く飛び出します。上面右のレバーを左方向に引いてフィルム巻上げとなります。レンズの上にある半円状の突起を左に押してシャッターチャージ。絞り、シャッタースピード、ピント調整は前面にあります。ファインダーを覗くと被写体が上下に分割されて見え、この像を合致させることでピントをとります。正面右中ほどのボタンを押しながらレンズボートを押すと蛇腹が畳まれ、レンズが収納されます。
 1950年代にカラートは再設計され、35oカメラのカラート36、アンスコカロマート(OEM)として生まれ変わりました。僕のカラートは新品同様なのですが、フィルムが売ってなく写真を写せないのが残念。現在机上のオブジェとなっています。

現行のフィルムは
使えません。
残念!!

側面に見えるレバーで
フィルムを巻き上げます。



レンズボード上にシャッター機構が
集中していますね。

丁寧な作りの良いカメラなんですけど
合うフィルムがありませんから
カメラじゃなくてただのおもちゃに
なってしまっています。
(シャッター)
レンズシャッター方式
Compur
T,B,1〜1/300sec
(レンズ)
SchneiderKreuznach
Karat-Xenar
50o f2.8
(ファインダー)
逆ガリレイ透視式
(ピント調整)
一眼上下像合致式
連動距離計
(露出計)
なし
(シンクロ)
なし
(フィルム巻き上げ)
レバー式
(セルフタイマー)

なし
(サイズo、重量)
W130 H75 D50
565g



Werra 4 (ベラ 4)

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レンズの根元のリングを回すと
フィルムが巻き上がる独特の
機構を備えています。
慣れれば速写も可能です。
Carl Zeiss Jena (1959年)
 設計者のこだわり。特異な巻上げ装置を備え、軍艦部に突起やビス一つ無い、とてもスタイリッシュなベラは東独のカールツァイスより発売されました。よく国営企業がこんなにデザインの素晴らしい製品を作ったものだと感心させられます。
 巻き上げ部は独自でレンズの根元にあります。カメラを構えた状態で根元のリングを左に60度回すと、巻き上げとシャッターチャージがなされます。全く独自の機構ですね。露出計は上部にあり、屋外の強光時はカバーをして測光します。絞りとの連動はしていません。シャッタースピードと絞り、ピント調整はレンズ鏡胴にあります。ファインダーはとても明るく3つのブライトフレーム(枠線)があり、焦点合わせはとても楽。現行のカメラでもここまで明るいファインダーはあまり無いんじゃないかな。軍艦部に見える唯一のボタンはシャッターレリーズボタンです。カメラ底部にはフィルムカウンターと巻き戻しクランクがあり、裏蓋は完全に取り外せます。
 レンズはテッサー。ベラ3型から共通マウントになり数種類の交換レンズが出ています。しかし、中古市場ではあまり見かけませんね。
 ベラにはレンズ鏡胴がすっぽり収まるレンズカバーが標準で付いています。撮影時はカバーを逆さにし、レンズ前面につけるとフードになるとか。ぜひ、レンズカバーのついたベラを入手したいものです(安く)。カバーだけ売ってないかな。

これも裏蓋が
取り外せるタイプ。

室内ではセレン光電池の
カバーを開けて測光します。

大きなシャッターボタンが特徴の
シンプルな上面。
(シャッター)
レンズシャッター方式
Prestor RVS
B,1〜1/750sec
(レンズ)
Carl Zeiss Tesser
50o f2.8 (Werra)
(ファインダー)
逆ガリレイ透視式
(ブライトフレーム)
(ピント調整)
一眼二重像合致式
連動距離計
(露出計)
セレン光電池
単独 指針露出計
(シンクロ)
X,M接点
(フィルム巻き上げ)
回転式(マウント部)
(セルフタイマー)

あり
(サイズo、重量)
W120 H75 D85
580g



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