Retina-3c Retina Vc (レチナ 3c)

コダック蛇腹レチナシリーズの最終モデル。
ドイツカメラ最盛期の精密感が漂います。


画像にポインターを置くと
    各部の名称が出ますよ


レチナVcには大窓と呼ばれるファインダーが大きいタイプもあるんですが、
生産量が少ない為これ(小窓)の3倍ほどの値段がするんですよ。
また、120台だけ生産された復刻バージョンもあるらしいです。高いんだろうなぁ。
レチナ3c*正面 露出計ダイアル レンズ  Xeon 50o F2.0 シャッターボタン アクセサリーシュー 巻き戻しノブ セレン光電池露出計受光部 距離計窓 ファインダー窓 前蓋 フィルムカウンター ピント合わせレバー 巻き上げノブ レンズ (Tesser 80o f2.8) ドレイカイル距離計 シャッターボタン フィルムカウンター 蛇腹オープンボタン ファインダー ピント合わせダイアル 前蓋 シャッターセットレバー セレン光電池受光部 レンズ ドレイカイル距離計 シャッターレリーズボタン シャッターセットボタン 露出計 アクセサリーシュー ファインダー 巻き戻しノブ 巻き上げノブ 前蓋 巻き上げプランジャー レンズ シャッターボタン セレン光電池 距離計窓 ファインダー アクセサリーシュー フィルムカウンター バーンドア(観音扉) バーンドア(観音扉) ←蛇腹カメラなのにギザギザな蛇腹が外から見えない作りになっています。おしとやか?
 巻き上げレバーは底部に位置しています。


このカメラ、ジャンク入手だったので露出計受光部のカバーが壊れてました。
仕方ないので、いま自作の黒いキャップを付けて使っています。
(昼光下ではキャップを付けての測光が必要となります)
レチナ3c*セレン光電池受光部キャップ 露出計受光部 フィルムカウンター シャッターボタン 露出計ダイアル
レチナ3c*前蓋を開け、レンズをカチッと固定します ←前蓋のボタンを引きドアを開けるとレンズ部がニョキって出てくるんですよ。





Kodak(AG) コダック (1954年)
 レチナは1934年にコダック社が35oフィルム販売促進のために作ったカメラと言われてます。ライカ、コンタックスの半額以下で販売され写りも良かったのでレチナシリーズは大成功し、後に何十ものバージョンが生まれました。レチナVcは最終期の製品で蛇腹式スプリングカメラの完成形といえるカメラですね。
 前面右の白いポッチを引き、前蓋を開けるとレンズが"ニョキ"っと出てきます。前蓋を90度になるまで引くとレンズがロックされ撮影準備にとりかかれます。巻き上げとシャッターチャージは底面にあるレバーを引いて行います。露出計は上面にあり、屋外ではセレン電池面にカバーをして測光します(僕のレチナはカバーが壊れていたため、自作カバーが付いています)。絞りとシャッタースピードは連動していて(LV方式)常に適正露出で撮影できるようになっています。ピントは前面の黒い半円形のノブで合わせます。注意しなければならないのはフィルムカウンター(逆算式)で、カウンターが1になると巻き上げにロックがかかり動かなくなります。これはフィルムが切れない為の安全装置なのですが、初めて触る人は必ず「壊しちゃった」と思うようです。このセーフティーロックをはずす方法は、カウンター上のボタンを押しながら背面のボタンをスライドさせればいいのですが、この装置に困惑した方たくさんいるんじゃないかな。レンズを収納するときは距離計を無限遠にセットした後、レンズボード上下にあるボタンを押して前蓋を閉じます。
 レンズはシュナイダーのクセノン。シャッター面より前の前玉部分のみ交換可能です。写りはシャープ。
 このカメラのフィルムカウンターには泣かされました。カウンターのことを知らずに購入し、巻上げが止まったところで「しまった」と思い、冷や汗をかきながら丸一日かけて分解。ようやくその仕組みを知ったのでした。





使い方を ちょこっと説明


まず低部右のレバーを下げ、その中にある小さなボタンを押して裏蓋を開けます。
フィルムをセットし蓋を閉め、低部のレバーで巻き上げ。
巻上げと同時にシャッターチャージも完了します。
レチナ3c*底面 巻き上げレバー 前蓋 巻き戻しボタン 前蓋ロックボタン 裏蓋オープンレバー フィルムカウンター ピント合わせダイアル アクセサリーシュー 蛇腹 レンズ 蛇腹オープンボタン シャッターボタン 巻き上げノブ セルフタイマーボタン シャッターセットボタン フィルム覚え表示 露出計感度設定ダイアル ピント合わせダイアル 絞り値表示 シャッターボタン セレン光電受光部 ファインダー 露出計 アクセサリーシュー 巻き上げプランジャー 蛇腹 シャッターとレンズ アクセサリーシュー 距離計表示 露出計 シャッターボタン バーンドア(観音扉) バーンドア(観音扉) ←底面左より、
巻上げレバー、巻き戻しボタン、裏蓋オープンレバーです。


2回ほど巻き上げたら、フィルムカウンターをセットします。
セット方法は、上部フィルムカウンター表示の横のボタンを押しながら
背面のレバーを左にスライドさせてフィルム枚数にセットします。(逆算式)
レチナ3c*裏蓋 ファインダー 巻き戻しノブ シャッターボタン 露出計ダイアル フィルムパトローネ部 巻き上げレバー フィルムカウンターセットレバー ←上部左より、
巻き戻しノブ、ファインダー、フィルムカウンターセットレバー、シャッターボタン、露出計ダイアル。





前蓋を開け、レンズをカチッとセットしたら、露出計で測光。
右のダイアルでフィルム感度を合わせたら露出計の指針に合わせ、
ダイアルを回すとライトバリュー値が分かります。
レチナ3c*上面 巻き戻しノブ セレン光電池露出計受光部 アクセサリーシュー 前蓋 露出計表示部 露出計ダイアル シャッターボタン フィルムカウンター 前蓋ロックボタン ドレイカイル距離計 セルフタイマーボタン シャッターセットレバー ピント合わせダイアル レンズ 絞りダイアル シャッタースピードダイアル 蛇腹 ドレイカイル距離計 ピント合わせダイアル シャッタースピードダイアル シャッタースピードダイアル 絞りダイアル フラッシュ接点 フラッシュ切り替え(M,X) シャッターボタン レンズ シャッターセットボタン レンズ M,X,V表示 シャッタースピード設定リング 絞り値表示 ←上面左より、
巻き戻しノブ、アクセサリーシュー、フィルムカウンター、シャッターボタン、露出計表示部、露出計ダイアルです。





レンズ後方にあるダイアルで任意のシャッタースピードを設定。
レチナ3c*レンズ上 前蓋ロックボタン シャッタースピード設定リング レンズ  Xeon 50o f2.0 ←シャッターはシンクロコンパー。速度は B,1〜1/500秒で設定でき、レンズ後方のリングでセットします。
 クセノンレンズの描写力は高いと思います。 


次に絞りレバーを露出計のライトバリュー値に合わせると
適正露出内でシャッタースピードと絞りが連動します。
右下の半円形のレバーでピントを調整、シャッターを切ります。

前蓋を閉じる際は、ピントを無限遠に合わせた後、
レンズ上底部の丸いボタンを押しながら蓋を閉じます。
レチナ3c*レンズ下 レンズ  Xeon 50o F2.0 ピント合わせレバー 絞り設定ツマミ フラッシュ接点 裏蓋ロックボタン M,X,V (フラッシュ、セルフタイマーレバー) ←レンズは前玉のみ交換可能。ピント合わせは右下の半円形のレバーで調整します。
 左の緑のレバーでフラッシュとセルフタイマーの設定ができます。 





レチナ3c*背面 裏蓋 露出計ダイアル アクセサリーシュー フィルムカウンター シャッターボタン ファインダー フィルムカウンターセットレバー 巻き戻しノブ

36枚目から数える逆算式フィルムカウンターは
カウンターが1まで来るとカメラ動作が停止してしまうので
巻き上げ作業に移らなければなりません。
カウンターを再びセットするとロックが解除されるんですが、
ふつう36枚フィルムだと38枚は撮れるんだけど、
んー、なんか2枚損した気分。
レチナ 3c
のスペック


(シャッター)
レンズシャッター方式
SyncroCompur
B,1〜1/300sec
(レンズ)
SchneiderKreuznach
Xeon
50o F2.0(Retina)
(ファインダー)
逆ガリレイ透視式
(ピント調整)
一眼二重像合致式
連動距離計
(露出計)
セレン光電池
単独 指針露出計
(シンクロ)
X,M接点
(フィルム巻き上げ)
レバー式 (低部)
(セルフタイマー)

あり
(サイズo、重量)
W130 H85 D50
665g





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