旧ソ連のカメラ コーナー
貧相なデザインが多い ロシアンカメラの中で、 レニングラート゛だけは別格。 カッコいいです。 |
Lenigrad Optical Mechanical Union (1957年) レニングラード!!何ともソ連らしい響きを持ったカメラですね。フォーカルプレーン機でありながらスプリングモーターによる巻上げができ、しかもライカマウントレンズが使えるこの機体は、ロシアンカメラの中では高級品に属するそうです。 上面右にある大きなノブを20回ほど回すとゼンマイが巻かれ撮影準備ができます。シャッタースピードはノブ左のダイアルにあり、上に引っ張りながら回転させ設定。バルブ時はダイアル隣のスイッチをスライドさせます。ぜんまいの隣にある突き出た棒がレリーズボタンで、強く押し込むとシャッターが切れ、離すとフィルム巻上げとシャッターチャージがなされます。ファインダーには50,85,135oのフレームが表示されていて見通しは非常にクリアーです。底面右のノブの中にあるネジを回転させるとスプールがフリーとなり、上面左のノブでフィルムを巻き戻すことができ、また裏蓋はコンタックス同様完全に取り外せ、スムーズなフィルムの出し入れが可能となります。このモデルは初期型でフィルム圧板は なんとガラスでできていました。 レンズはジュピター8。ライカマウントですがゾナー(コンタックス)のコピー製品なのです。ロシアンレンズは製品ごとにムラがあると言われてますが、このレンズの写りは上々でしたよ。 人間工学に基づいて(?)ボディーはホールディングしやすいように斜めに曲がっています。部品の作りが丁寧で美しいフォルムを持つレニングラードは、他のカメラとは一線を画す存在なのですが、実は壊れやすいんです。ぜんまいの力が強く、駆動系にリコーオートハーフのような緩速ガバナーが付いてないので、シャッター周りがすぐ故障してしまいます。高級感がありますが実用向きでないカメラなんです。 |
裏蓋は取り外せます。 フィルム圧版は 珍しいガラス製。 ロシアのケースは しっかりした作りです。 |
ライカのスクリューマウントレンズが 使用できるんです。 |
右の大きなノブの中に スプリングが入っています。 底面の左右のノブを回すと 裏蓋が取れます。 |
(シャッター) 機械式布幕横走り フォーカルプレン方式 T,B,1〜1/1000sec (レンズ) Jupitor 8 50o f2.0(M39) (ファインダー) 逆ガリレイ透視式 (ブライトフレーム) (ピント調整) 一眼二重像合致式 連動距離計 (露出計) なし (シンクロ) 1/30sec (同調調節付) (フィルム巻き上げ) スプリングモーター式 (セルフタイマー) あり (サイズo、重量) W150 H90 D95 885g |
ボディの黒い部分のすべり止めは 地金をざらざらに型押しして 作られています。 |
Dzerzhinsky Commune (1956年) ライカコピーと呼ばれるライカを模倣したカメラは世界に220種以上あるそうです。その中でもソ連が最も多くコピーを生産しました。フェドは1932年、ライカA型をモデルに作られ、後1980年頃までフェドブランドは続きました。このカメラは2バージョン目の製品で、フェド1型とは随分表情の変わった作りとなっていますね。 基本構造はバルナックライカと同じです。軍艦部右のノブでフィルムを巻き上げ、隣のボタンでシャッターレリーズ。中ほどのダイアルがシャッタースピードです。またレリーズボタンの下にあるつまみを押し込みながら左に回すと巻き戻し出来るようになります。ファインダーには視度調整機能が付いていました。 レンズはインダスター61。安っぽいレンズですが、れっきとしてたライカマウントレンズです。さて、良く写るかな。(近々試写しようと思います)。 ボディのシボは、ダイカストの地金を型押しして塗装してあるソ連独自の作りです。ケースは皮製で柔らかく良くなめされています。このケース、今まで嗅いだことの無い独特の匂いがするんです。ロシアンカメラのケースに共通して言えることなのですが、実に変な匂いが漂ってきます。 |
ライカとは違い 裏蓋は分割できます。 柔らかく良くなめされた 皮ケースです。 でもちょっと 変な匂いがします。 |
レンズの作りはイマイチ。 まだ写した事は無いのですが。。。 |
操作はバルナックライカと同じ。 巻上げ感覚は結構いいです。 |
(シャッター) 機械式布幕横走り フォーカルプレン方式 T,B,1〜1/500sec (レンズ) Industor 61 52o f2.8(M39) (ファインダー) 逆ガリレイ透視式 (視度補正付) (ピント調整) 一眼二重像合致式 連動距離計 (露出計) なし (シンクロ) 1/30sec (フィルム巻き上げ) ノブ式 (セルフタイマー) あり (サイズo、重量) W150 H90 D80 630g |
コンタックスV型にそっくり!! 操作感覚まで同じ感覚です。 |
Kiev Arsenal (1958年) ロゴと巻き戻しノブの形、それから・・・。クラッシックカメラ初心者の僕にはコンタックスV型との違いはそれぐらいしか分かりません。終戦直後、ソ連軍がコンタックス(ドイツのツァイス社)の機械と設計図、技術者を自国に運び、そこで作ったのがキエフですからコンタックス(U,V)の完全なコピー機体と言えると思います。キエフ3型はノブの形までコンタックスと同じですね。 基本仕様は全くコンタックスVと同じです。軍艦部右のノブはシャッタースピードを兼ねた巻き上げで、1回転させフィルムを巻き上げた後、ノブを上に持ち上げながら回しシャッタースピードを設定します。レリーズは巻き上げノブの上にあり、ノブ前方のギザギザのダイアルを人指し指で回しピントをとります。上部の四角い出っ張りは露出計で、横のポッチを押すとセレンを覆う蓋が"パカッ"と開きます。露出計は絞りとは連動していませんが、左のノブにシャッタースピードと絞り値が示してあり、回転させると露出計の針が動き、適正露出値が分かるように出来ています。ファインダーは少し青みがかって見えますがクリアーと言えるでしょう。シャッター幕は鎧戸幕と呼ばれる物で、細長い金属の板がすだれのように並んだ構造をしています。遮光性の高い信頼性のある幕だと思います。 レンズは交換式で本物のコンタックスのレンズを付けることが出来ます。ここについているレンズはジュピター8Mでゾナーのコピー製品。 "チュ〜ゥ"。1/2,1/5の低速シャッターは鼠鳴きと呼ばれる音がします。この音はコンタックスVの特徴ですから(多分)外観だけでなく中身もコンタックスそのままなのですね。僕を含みコンタックスが高くて買えない人には もってこいのカメラと思いますよ。 |
鎧戸幕と言う 独特のシャッター幕。 金属で出来ています。 ケースもコンタックスの 模倣品。 |
コンタックスのエピゴーネン ていう訳じゃないんです。 コンタックスを作っていた人が ソ連に連れて行かれて、 これらを製造したと聞きました。 |
軍艦部の出っ張りは露出計です。 左のノブを回すと上部のメーターが動き 適正露出が算出できます。 |
(シャッター) 機械式鎧戸幕縦走り メタルフォーカルプレン T,B,1/2〜1/1250sec (レンズ) Jupitor 8M 50o f2.0(Contax) (ファインダー) 逆ガリレイ透視式 (ピント調整) 一眼二重像合致式 連動距離計 (露出計) セレン光電池 単独 (シンクロ) 1/25sec (フィルム巻き上げ) ノブ式 (セルフタイマー) あり (サイズo、重量) W155 H95 D75 770g |
不恰好ですが機能は満載!!。 旧ソ連を代表するいいカメラです。 |
KMZ (1956年) キエフ、フェドとともに旧ソ連を代表するカメラがこのゾルキーです。ここで紹介するゾルキー4型はソ連が経済的に安定していた時期に作られたものなので、生産台数が多く、作りが良いと言われています。実際ボディは堅牢でシャッター動作はスムーズ、ファインダーが一眼式で大きく見やすくなった等が良い点として挙げられるでしょう。 操作はバルナックライカとほぼ同じで右のノブで巻き上げ、隣のボタンでシャッターを切ります。シャッタースピードはアクセサリーシュー隣にあり、ダイアルを上に持ち上げながら回転させてスピードを設定します。シャッタースピードダイアル下のリングはフラッシュの同調調節ダイアルです。巻き戻し時はまず、レリーズボタン下のノブを押しながら右に回し、左の巻き戻しノブを上に引っ張ってから回してフィルムを巻き取ります。裏蓋が完全に外れるので、フィルム出し入れには苦が無いと思いますよ。 ファインダーは先に述べたように一眼式で明るく、またスライド式の視度調整器が付いています。この形のカメラではピント調整は一番楽ちん。 レンズはジュピター8。この時代のカメラによくついているレンズで、レニングラードと同じ物です。 慣れれば問題無いのですが、ゾルキー4は巻上げが大変なんです。巻き上げノブと軍艦部の間隔が狭く、ノブをつまんだまま1回で巻き上げられないのが難点。また、指にたこが出来るぐらい巻上げが重い。この問題を除けば良いカメラなんですけど。。。 |
フィルム装填には スプールが必要です。 |
巻き上げノブが小さいから扱いづらい。 すぐに指先が痛くなっちゃう。 |
アクセサリーシュー隣のダイアルで シャッタースピードを決めます。 シンクロ同調器も付属しています。 |
(シャッター) 機械式布幕横走り フォーカルプレン方式 T,B,1〜1/1000sec (レンズ) Jupitor 8 50o f2.0(M39) (ファインダー) 逆ガリレイ透視式 (視度補正付) (ピント調整) 一眼二重像合致式 連動距離計 (露出計) なし (シンクロ) 1/30sec (同調調節付) (フィルム巻き上げ) ノブ式 (セルフタイマー) あり (サイズo、重量) W145 H100 D75 735g |
上のゾルキー4とデザインは同じ。 |
KMZ (1959年) 本体がミールでレンズがジュピター。ソ連とアメリカの宇宙船が合体したような名前のカメラですね。と言っても宇宙ぽいところは一つも感じられないこのミールは、先で紹介したゾルキー4と"そっくりさん"なんですよ。ロゴが違うだけで中身もそのまんまじゃないのかな。ただ一つ違うのは、シャッタースピードダイアルでスローシヤッター(1〜1/15)が付いていない点だけかな。ゾルキー4の廉価版といえるカメラだと思います。 |
裏蓋は鉄板でなく ダイカスト製。 |
ロゴはこちらの方がカッコいいですね。 MUPでミールと読みます。 |
スローガバナーが無いので シャッタースピードは1/30からです。 低速シャッターなんて滅多に使わないので 実用上は問題ありません。 |
(シャッター) 機械式布幕横走り フォーカルプレン方式 T,B,1/30〜1/1000sec (レンズ) Jupitor 8 50o f2.0(M39) (ファインダー) 逆ガリレイ透視式 (視度補正付) (ピント調整) 一眼二重像合致式 連動距離計 (露出計) なし (シンクロ) 1/30sec (同調調節付) (フィルム巻き上げ) ノブ式 (セルフタイマー) あり (サイズo、重量) W145 H100 D75 735g |
クラシカルな1眼レフを 探している方にお勧めです。 お手頃価格で購入できます。 |
(1965年) ライカマウントの一眼レフカメラです。ゾルキー4型にペンタプリズムをそのまんま乗っけたスタイルで発売したのがゼニットで、現在でもゼニットブランドの一眼レフシリーズは続いています。このカメラは初期ゼニットのノブ巻上げをレバーとし、裏蓋はスライド一つで開くように改良したモデルです。 外観は現代風のカメラに見えますが、クラッシックを感じさせるところはシャッターダイアルです。レバーを引いて巻き上げると黒いシャッタースピードダイアルがくるくる回転するのが面白いです。シャッタースピードはダイアルを持ち上げながら回して設定します。レリーズボタンは巻き上げレバー上にあり、レバー隣のボタンはリワインドボタンです。巻き戻すときは、このボタンをずっと押しながらフィルムを巻き戻さなければなりません。んー、ちょっと大変ね。 レンズはインダクター50でライカマウントですが、ゼニット以外のレンズとは互換性が無い様です(他のレンズを付けるとピントがとれませんでした)。 やはりクイックリターン機能は付いていません。シャッターを切るとミラーが上がりっぱなしになりファインダーは真っ暗になってしまいます(ブラックアウト)。このカメラはそう古くない一眼レフ機ですが、クラシカルな感覚で操作できますからクラカメ好きな方にお勧め。 |
裏蓋はパカッと 横に開くタイプです。 |
サイズも重さもコンパクトなので 携帯するにはいいかも。 |
巻き上げレバーを引くと シャッタースピードダイアルが回転。 シャッター機構は古い作りですね。 |
(シャッター) 機械式布幕横走り フォーカルプレン方式 T,B,30〜1/500sec (レンズ) Inductor 50 50o f3.5 (M39) (ファインダー) 一眼レフレックス式 (ピント調整) 直進ヘリコイド (露出計) なし (シンクロ) X.M 1/30sec (フィルム巻き上げ) レバー式 (セルフタイマー) あり (サイズo、重量) W140 H95 D70 680g |
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