戦前のラジオ コーナー




Yamanaka Elec "Televian"

戦前の縦型ラジオって
カッコいいですね。





裏蓋もちゃんと付いていますよ。
山中電機
 たいへん保存状態のよい、綺麗なラジオに出会いました。これはテレビアンという名を持つ縦型ラジオで、昭和12年に製造されたものです。戦中をくぐり抜け、60年以上の年月を過ごしても殆ど傷が無く、美しい状態でありつづけたテレビアン。中身も勿論元気元気!!(細部の補修と修理はしました)。
 キャビネットは昭和10年前後に流行った縦型スタイルで、表面は軽く透明ニスが塗られています。ダイアルは大きな丸型で、日本を中心とした世界地図を真中にして、周りに受信周波数が表示されています。また小さく"Televian"ロゴも内に確認できます。ダイアルを覆うカバーはガラスの時計皿(珍しい?)を使用、金色の真鍮キャップで止められていました。本体は高周波1段付きの4球ラジオ。シャーシ内はほぼオリジナルでコンデンサー、抵抗など自社製の部品が多く使われいました。シャーシ上には円柱のコイルケースが2つ立っていて、横にはヘッドホン用の端子が付いています。真空管は残念ながら同等品と差し替えられていました。つまみは左から電源/Vol,Tun,再生となっていて、Tunつまみで周波数を合せた後、再生つまみを回して良く聞こえる状態にします。感度良好で、3m程のリード線アンテナでも首都圏の放送は全部受信でき、深夜になると海外放送も一部聞くことが出来ましたよ。
 2004年で67歳を迎える骨董ラジオ。今尚現役で僕のデスクトップに居を構え、深夜の放送を聞かせてくれています(味のあるイイ音出るんです)。

ダイアルの中には
世界地図が
描かれています。



スピーカーはオリジナル
マグネチック型。



懐かしさを感じるプラグ。

大きな円形ダイアルが特徴!!

円柱のコイルケースが目立ちます。
4球高一ラジオ
(受信バンド)
BC(AM)
(真空管)

UY24B,US57S,3YP1,12F
オリジナルは
UY24B,UY24B,47B,12F
(スピーカー)
マグネチックSP
"televian"
(裏蓋)
オリジナル
(サイズp、重量)
W29 H40 D19
6.0Kg



Crown model412

一家に一台あった様な
廉価な作りをしたラジオです。
日本精機
 昭和10〜15年頃作られたシンプルなスタイルの縦型ラジオ。映画のワンシーンに出てきそうな大衆ラジオですね。
 小柄なキャビネットと小さなダイアル形態をしていますので、ミゼット型と呼ばれるラジオの一種と思われます。(indexページにあるラジオがミゼットスタイルの代表的なものです。カセドラルタイプとも呼ばれています)。中身は並四のストレートラジオで、スピーカーはエッジとフレームの部分も紙で出来ているマグネチックスピーカーが使われています。この紙スピーカーは戦時中の物資難の時、国の指示により金属の代りになる物として作られた代物で、一般には音が悪いと評判ですが、このラジオのSPに限っては金属製とかわらない性能を持っていました。つまみは左から電源/Vol,Tun,再生、受信感度は並四ラジオですから並、いや並の上ってなとこかな。アンテナ(リード線で可)を付ければ首都圏の放送(NHKからラジオ日本)は難なく聞くことが出来ました。
 紙スピーカーが珍しいこのラジオ、戦争している頃には行進曲でも流していたのかな。お膳の横に置かれ、家族揃って聞いている風景が目に浮かんできました。

ダイアルは小窓です。





ロゴの下に放送協会の
マーク(○放)が
光っています。

年代を感じさせる
デザインをしています。

これが紙製の
マグネチックスピーカー。
音は決して悪くないですよ。
4球並四ラジオ
(受信バンド)
BC(AM)
(真空管)

US57,UY56,UX12A,12F
オリジナルは
UX27A,UX26B,UX12A,12B
(スピーカー)
マグネチックSP
"weston"
(裏蓋)
再製
(サイズp、重量)
W38 H29 D20
5.2Kg



YK Electrc standard broadcast 改

とても大きなキャビネットです。
ツートンカラーが綺麗ですね。
不詳、自作か?
 キャビは昭和初期の大型な縦スタイルですが、中身は昭和25年ごろのST管5球スーパー。物として見ると良くできたラジオなんですが、骨董的価値はどうかな。
 ツートンカラーがお似合いのキャビネット。昭和一桁に作られた物のようです。SPネットとダイアル、つまみも同年代の部品、またフィールドダイナミックスピーカーも戦前のもので、大変重く、がっちりした作りをしていて、大音量が出て低音領域も良い当時の高級品が付いていました。・・・ですがラジオ本体は戦後のキット製(多分)。シャーシには、キャビのダイアルとつまみを上手く利用できる様に工夫した跡(穴加工等)が見られます。シャーシの上下の部品は状態が良く、余り使用されなかった模様で修理は楽な方でした。つまみは左より電源Vol,Tun,Tone/PUで、ダイアルが大きめなのでチューニングは楽です。やはりラジオの状態が良いので、感度は最高!! SPの良さとあいまって僕のコレクション中、一番の大音量で楽しめます。
 元は高一ラジオであったと思いますが、戦後にアマチュアが改造したのでしょう。外観はそのままで性能をアップさせた事を考えると、腕の良い方が手がけたラジオだと見受けられます。 

裏蓋デザインは
面白いです。





とっても重い
フィールドダイナミック
スピーカー。
低音が良く響きます。

スピーカーネットはオリジナルで
綺麗な状態だったので良かった。

中身は戦後の
ST管スーパーヘテロダイン。
アマチュアが作ったものです。
5球スーパーラジオ
(受信バンド)
BC(AM)
(真空管)

6WC5,6D6,6ZDH3A
42,80K
(スピーカー)
opt付フィールドダイナミック "radion"
(裏蓋)
オリジナル
(サイズp、重量)
W38 H47 D27
11.4Kg



初期型3極管ラジオ

これも大型ラジオです。
長年お蔵で眠っていたのでしょう、
入手時 相当壊れていました。
不詳、メーカー製
 真空管ラジオを修理するにあたりオリジナル性を残すべきか(つまり余り手をつけないか)、徹底的に直すべきか悩みます。歴史的な価値を尊ぶのであれば、入手した現状のまま保存しとくのが良いのでしょうが、僕の場合、性格として壊れた物はほっとけないので、徹底的に修理しちゃいます。骨董価値が無くなっちゃうんですけどね。。。 このラジオもよく手を入れた中の一つ、オンボロの状態で入手したものです。
 キャビは大型、前面のスピーカー部が彫刻で浮き彫りされています。つまみの下の木部が殆ど朽ちていたので、ベニア板で補修、上に模様の入った厚紙を張り付けてみました。ダイアルは円形で周波数表示ではなく、0〜100までの数字が書かれています。ラジオ本体は大変面白く、ラジオ放送が始まって間もない昭和5年頃に製造された物です。なぜ面白いかと言うと、シャーシは木製、バカでかいパワートランス、3極管を5個も使った(元はナス管)2段のトランス結合の回路、紙製のマグネチックスピーカー、なんと言ってもコイル。子供の頃、ゲルマニウムラジオを作るのに苦労した方ならお分かりのスパイダーコイルが使われていました(アンテナ、同調再生コイル共)。修理には苦労し、真空管のフィラメント断線(UX26B 1個)と低周波トランスの断線があり代用品が無かったので、抵抗結合による4球の高一ラジオに改造してみました。つまみは左からVol,Tun,再生で感度はいまいち。でも強電界地域の放送はリード線アンテナでも入ります。3極管で1段増幅の抵抗結合、スパイダーコイルですもの、本格的なアンテナを立てないと上手く聞くことは出来ないのです。
 中身の珍しさから壊れているの承知で手に入れたのですが、部品が入手難の為、当時の性能を十分に引き出すことが出来ませんでした。いつか真空管を入手した時、もっと良く直してあげたいと思ってます。

鉱石ラジオによく
見かける
スパイダーコイル。
昭和初期の
珍しい物です。

キャビの下部が朽ちていたので
ご覧のように補修してみました。
ちょっとヘン(?)

木のシャーシに大きなトランスと
スパイダーコイル。
珍しい作りをしていますね。
5球高一ラジオ
(受信バンド)
BC(AM)
(真空管)
UY56,UX26B,UX26B
UX12A,12FX
オリジナルは
UX227,UX226,UX226
UX112,KX112(ナス管)
(スピーカー)
マグネチックSP
(裏蓋)
再製
(サイズp、重量)
W32 H45 D24
7.2Kg



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