ラジオの本・雑誌 コーナー
トップページには鉱石受信機などの作品が 写真で載っています。 |
山海堂 (昭和26年9月発行 定価150円 264頁) これは昭和26年に発行された、ラジオの製作に関する内容の本です。初歩のとあるように、鉱石受信機の製作から始まって、2〜3球ラジオの製作記事が中心となっています。また、アンテナの立て方や部品の説明、回路図の見方など、真空管ラジオをいじくるのに必要な最低限の知識を得る事が出来ます。 僕がこの本で気に入ってるのは、故障ラジオの修理ページ。故障回路のみつけ方、ブーンと言うハムの取り方、真空管やケミコンの若返らせ方等、修理に欠かせない基本的な事柄が学べました。僕にとってはバイブル的な本となっています。 |
"高周波1段標準受信機の作り方"が カラー図解で詳しく書いてありました。 |
山海堂 (昭和29年1月発行 定価240円 320頁) こちらの本は上のと同じ著者が書いた兄弟分。いや昭和24年発行(初版)ですのでお兄さんです。内容は殆ど上のと同じ感じですが、電気やラジオ、テレビの原理説明や受信機、部品、修理の記事が細かく載っています。特にラジオ用真空管の説明ページが大変役に立っていますね。付属としてラジオ、テレビ用語辞典、前ページにはカラーで高一ラジオの作り方、後ページには青写真風の回路図(8枚)が付いているハードカバーの豪華本です。 |
裏表紙はラジオ会社の広告欄です。 |
科学社 (昭和23年6月発行 定価30円 64頁) 雑誌"ラジオ技術"は今でも発行されていますが、近頃は大型書店に行かなければ見ることが出来なくなりました。MJはどこにでもあるんですけどね。ラジオ技術というタイトルがいけないのでしょうか。。。 ラ技にしろMJにしろ最近は真空管アンプの記事ばっかりで、僕としては余り面白くないのですが、この雑誌の様な昭和20年代のものは、やはりラジオの製作記事が中心となっています。内容を見てみますと、まずスーパーの研究(回路図が11個載っています)、製作記事3件(GT管の小型スーパー等)、あと専門的な設計記事等々、非常に面白い内容となっています。そして、中と裏表紙にある広告にも目が奪われます。(秋葉原の廣瀬無線、角田無線の広告もありました)。 この時代の雑誌はわら半紙で出来ています。印刷されてから50年以上たった今、紙が弱くなってきたのでページをめくる時は、"はらはら"してしまいます。破かないように気を使いながら眺める雑誌です。 |
スーパーラジオの正しい調整方法とトラブル対策が 付録に付いています。 |
科学社 (昭27年11月発行 定価160円 132頁) ラジオ技術誌はその名の通り、工学を学んだ方でなければ理解できないような専門記事が多いのですが、別冊"図解と製作"は当時のラジオ少年(高校生あたりか)でも十分読める構成となっています。 この第2号はスーパー特集号となっていて、内容は、スーパーラジオの製作9記事(4球ポータブルから4バンド9球スーパー)とラジオ付き電蓄2記事、折込にラジオの調整とトラブル対策(修理に役立ちます)。部品の集め方から調整のやり方まで、1台のラジオを製作完成させるのに必要なテクニックが非常に詳しく載っています。 僕の知る限りでは、写真や実体配線図がふんだんに使われている、製作記事が中心の雑誌は図製だけだと思います。古書屋の中で一番光っていました。 |
トップのグラビアページは製作記事です。 50年前の秋葉原での買出し風景もありました。 |
科学社 (昭和28年3月発行 定価90円 96頁) 昔の雑誌って表紙が良いですね。白黒写真の上に筆で色をつけてカラー印刷されています。絵なのだか写真なのだか分からない違和感が何とも面白い。表紙を見ているだけでも楽しめます。 さて、第3号の内容ですが、ストレート受信機の製作3つ、スーパー3つ、アンプの製作2つ、(製作記事はGT管を使ったものが多くなってきました)あと回路図の読み方、テスターの使い方等の基礎的な記事がいくつかあります。この本の中で特に目をひくのは、2球から6球までの回路図10種で、初心者が回路を学ぶのに適当な内容でした。 トップのグラビアは高一ラジオの製作記事で、秋葉原のラジオデパートに部品を買出しに行っている写真が載っています。半坪の売り場に所狭しと部品が並べられている様子は、今も昔も同じ雰囲気。 |
昔はレコードプレーアーも自作した様です。 |
科学社 (昭和28年5月発行 定価100円 100頁) 表紙の写真は、女性がばかでかいテープレコーダーに声を吹き込んでいる場面。図製第4号はこのテレコの製作記事がメインとなっています。GT管を4球使ったキットで、価格は1万9829円50銭、廉価な部類だった様です。またオプションとして、ラジオチューナーと電蓄が付けられた模様。こんな面白いキットが作れた昔がうらやましい限りです。 他の内容は、ラジオ、電蓄、アンプその他の製作8記事とレコードプレーアーの製作(こんな物も自作してたのですね)、簡単なラジオの回路図や回路と部品の基礎知識の話等で構成されています。 科学社の雑誌には、巻末にラジオなどのキットカタログが載っています。2,865円のストレートラジオから26,207円の高級電蓄まで様々なキットが売られていました。"当時の物価×10倍≒今の値段"で考えると少し高い感じもしますが、メーカー製を買うよりは断然安かったので好評だった様です。 |
表紙はGT管スーパー電蓄の製作風景。 |
科学社 (昭和26年6月発行 定価190円 168頁) ラ技臨時増刊号は図製より少し高度な内容となっています。 この本では、受信機の部分的な回路(検波とか出力とか)を詳しく説明する記事がメインで、3篇で構成されています。はじめは市販部品オンパレードとあり、バリコン、コイル、トランスやダイアル等のラジオ部品が写真で32頁も使って詳細に出ています。今は売っていない部品カタログは結構珍しいのでは。次に各種回路の説明ですが、難しいので余り参考にならず。最後は製作記事、ラジオと電蓄の製作が16件載っています。24球3バンドラジオの製作、UHF帯ウォーキートーキー(トランシーバー)の試作とか、手のこんだ作品例が多くありました。真空管のトランシーバー・・・作ってみたいな。 |
グラビアページにはアマチュアが作った 真空管テレビが紹介されています。 |
科学社 (昭和26年8月発行 定価170円 140頁) 表題の通りラジオの故障対策に関する本で、修理の具体的症例が載っているので(記事は少なめ)僕のラジオいじりに役立っている本です。 この本のトップ頁はNHK巡回修理班員の日記で、田舎の電気屋が無い村に年1回のラジオ修理に出向き、古ラジオを修理する様子が綴ってあります(NHKがラジオ修理までやってたのですね。驚き)。サービスマン実技やラジオの修理体験など、プロの修理屋さんの体験談が話口調で書かれているのが面白いです。その他の記事は、スーパーや高周波回路の調整、電蓄の製作等で難し目の内容。 そう、この本で目がひかれる所はグラビア頁で、GT管5球スーパーの製作が写真付きで詳しく説明(実体配線図の写真版)されています。もう一つ、アマチュアが製作したテレビの写真(左)。毎週金曜日にNHKから発射される試験電波を受けるために作った自作テレビで、軍のレーダーに使われたブラウン管を流用したTVなど10の作品が掲載。真空管を25球も使うTVを自力で作っちゃうんだから、昔のアマはすごいですね。 |
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