珍品??? 何に使う時計でしょ?
記録時計 パート 2
一見ブラックボックス、よく見たら前面に時計がついてますね。これは日本のShinyosyaというメーカーが作った時計で、前に紹介した監視時計と同様に時間が記録出来ちゃうんです。でもただ時間を記録するだけでなく、特殊な機能もあったりと、ちょっと不思議な時計です。 弁当箱を縦に大きくした感じの筐体はダイカスト製で3.4キロもあり、上部には持ち運び用の皮製の取っ手が付いてます。何処かに持ち運んで使う時計? そう、この時計って どうやら鳩レースで使う記録時計らしいんです(多分)。鳩レースって あのN沼謙二がやってたってやつかな。。。 |
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アルミ製の文字盤上は何やらゴチャゴチャしてますね。 9時の穴は時計のゼンマイの穴で、ここに鍵を入れ巻き上げます。ちなみにフル巻き上げで8日間駆動しました。 7時に位置している窓は日にちカウンターで、24時間で1カウント、1週間7カウントまで出来ます。鳩レースってどんなのだか良く知らないけど、鳩が目的地に着くには1週間位かかるのかな、大変。 さて、3時の窓はというと、んー、何なんでしょうか。窓の横の鍵穴を回すと0から30まで設定でき、時計を振ると逆算式にカウントされるんですよ。この部分の機能はちょっと分らないです。 |
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時計の上面には開閉できる窓が2つあります。 左の窓を開けると、おやっ、くぼみの中に1とありますね。右の窓を開け、ここに鍵を差し込み回すと2に変わります。次々回す毎に14までカウントされます。 実はこのくぼみの穴に鳩レースで帰って来た鳩の足輪を順番に入れるみたいです。そして鍵を回すと、その時(到着時)の時間が紙に記録されます。下の画像のように到着時間は本体側部で確認する事ができます。 |
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蓋を開けると、上部に円盤状の物体が。これが鳩の足輪入れで、レース終了後に取り外せます。こんなパーツにしても重厚で良く出来てたりします。 | |
さてこれが本体の中身です。左の黄色い部分が時計本体で、右が時間を記録するメカ。 ロール紙をセットした後に鍵をグルっと1巻きすると、時計のうしろに表示された時間を紙に記録します。スプリングの力でパンっと打印、再び鍵を回すと記録紙が次へ送られます。 |
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真鍮で出来た時計は、ご覧の様に裏面にも時間針が付いています。この部分が凸版になっていて紙に時間を記録するわけなんですよ。 時計のメカはちょっとした高級な置時計って感じかな。ガンキ車からテンプまでのパーツは独立していて、この部分のみルビー石が使われていました(5石)。時間は今でも日差30秒以内で正確に動いています。 |
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これがロール紙に記録された時間です。 中心の大円が分針、右下が時間針、右上が秒針です。左下の小円では日にち(1〜7まで)が記録されます。ちなみにこの記録紙の時間を読んでみると、1日目の午前1時51分5秒となります。随分正確に記録されていますよね。 そう、紙の左上にはこの時計のシリアルナンバー321番が記録されています。この時計の特殊性を考えても そう多くは作られていないと思いますから、やはり珍しい時計なのかな、きっと。 |
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このヘンテコな時計はネットオークションでゲットしました。不動のジャンクとして
とっても安く手に入れましたが、分解・清掃・注油で直っちゃいました。 何に使う時計か全く分らず、ただ外見の面白さと色んな機能の不思議さに惹かれて入手したわけですが、後で時計に詳しい知人に聞いてビックリ、鳩レース用の記録時計だったんです。足輪入れの円盤パーツとか1週間計測できる記録時計部分とか なーるほどと納得できるのですが、鳩レース専用の時計なんて たいそうな物が存在していたなんて、それ自体に驚かされました(まだ半信半疑ホントかなぁ)。 そうそう、この時計は本当はねずみ色してたんですよ。でもちょっとカッコ悪かったのでツヤ消し黒で再塗装してみました。ますますブラックボックス風、得体の知れない時計になってしまいました。 |
Shinyosha (製 造 国) 日本 (製造年代) 1950年代? (大 き さcm) W15 H20 D13 (重 量) 3.4キログラム (ケース素材) ダイカスト (文 字 盤) アルミ (風 防) アクリル (時間合わせ) 手合わせ (ぜんまい) 鍵巻き (石 数) 5石 (脱 進 機) アンクル式 (テ ン プ) 平テンプ (稼動時間) 約8日 (日 差) +-30秒 |
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