コックピットから拾ってきた!?
ロシア空軍戦闘機の航空時計


Mig-21戦闘機が搭載していた航空時計で〜す(本当かな)

ぼぼ実物大(直径8.2p)
12時間計と60分計の2つのクロノグラフ付です。
 そうなんです、ロシアのミグ21系の戦闘機に搭載されていたという航空時計がこれ。本当かどうかは分からないのですが、旧ソ連空軍の軍用機に広く使用された時計だと言うのは間違いないみたいです。確かにコックピットパネルに乗っていそう、そんな感じのカッコいいスタイルしてますよね。
 この時計はゼンマイ巻きの機械式で、ご覧のように上下に2つクロノグラフ(ストップウォッチ)が付いているんですよ。

上には長短針からなる12時間計、
下には分針と秒針からなる60分計、
それぞれが独立して動作する仕組みになっています。真中にはセンターセコンドの付いた普通の時計がありますからね、つまりこの航空時計には3つの独立した時計が内蔵されているって事みたい。使い様によっては世界時計にもなりますね。

左がクロノ動作時、右がリセット時。
左のボタンで12時関計、右のボタンで60分計を操作します。
 この時計は複雑な作りをしている割には操作ボタンが2つしかないんですよ。

 まず左の赤いボタンを回してゼンマイの巻き上げ、また引っ張り上げ回すと時間合わせとなります(クロノ動作時は12時間計も同時に時間合わせできます)
 また時間合わせ時は、右のボタンを回して秒針を一時止める機能(ハック機能)もあるんですよ、これは便利ですよね。
 
 そうそう、クロノを動作させるには・・・
 右のボタンを押すと、下の60分計が動き出し、再び押してストップ、再度押してゼロリセット。
 左の赤いボタンを押すと、上の12時間計がスタート(文字盤 赤表示)、再び押してストップ(赤白表示)、再度押してリセット(白表示)となっています。
 操作感覚は軍用品らしく重いのですが、確実に動作してくれます。

各歯車にルビーが使われていました
 ロシア製品は一般的に粗悪な物が多いとか思いますが、この時計は案外良く出来ているんじゃないかな。時計はクロノメカも含め、各歯車の軸には多くのルビーが使われていますし(幾つかな、20石以上あると思う)、文字盤も塗装の乗りが良く綺麗です。
 機械は60分計クロノメカ、時計メカ、12時間計クロノメカの3段構造になっています。 

ピラーホイール式のクロノメカ
 機械の一番上に乗ってるのが、60分計のクロノメカです。6本爪のピラーホイール式のワンプッシュクロノで、一般的なクロノ時計とは違い動作時は秒針に合わせ分針も連動して動き、リセット時は長短針ともゼロリセットします。

テンプにはハック機能(一時停止)付きです
 真中には普通の時計メカが収まっています。
 このアンクル式のテンプには一時停止のハック機能もあったりします。曲がった板バネ状の部品をテンプの横に押さえて止めるんですね。

2個のゼンマイで構成、2日巻きです。
 ゼンマイは2つの香箱から構成され、フル巻上げで2日間動きます。
 3段構造の一番下には、12時間計用のクロノメカが入っています。これもピラーホイール式みたい。

ケースの奥にはヒーターが!!
 ボディケースにはコックピットパネル取り付け用のビスが伸びています。ビス横の大ネジを開けると時計のテンプ上のレギュレーターが覗け、時間誤差を修正できます。
 
 そうそう、ボディケースの奥にはサーモスタット付きの保温用ヒーターまで装備されていました。27ボルトの電気を通すようです。何万フィートもの上空に行くと時計が凍り付いちゃうのでしょうか。いや、地上との温度差で時計が狂わないように配慮されての装備なのかな。それとも結露防止の為? んー、どっちにしても僕の部屋では意味が無い機能だなぁ。

置時計になりました。
 この時計は丸いし台座も無いから机の上に置くとコロコロ転がってちゃうのかなと思ったら、ボディの後にパネル取り付け用の長いビスが伸びていたので、それが足になって ちょうど置時計のように
置けるようになってたんです。これならデスク上のインテリアにもいいかもしれないですね。

夜になると・・・
 暗闇ではこのように青白く蛍光塗料が光ります。結構きれいですよ。
 ソ連が崩壊しロシアの財政難も重なった結果、今ではいろんな軍用品がこちらでも手に入るようになりましたね。宇宙船ソユーズや原子力潜水艦で使われていた時計も売られていたとか聞きます(本当かぁ?) 特にロシアのクラカメなんか、崩壊前まで"幻の〜"なんて呼ばれていたのに、現在は中古カメラ屋さんにゴロゴロ転がっている状態ですもんね。この航空時計も数年前までは民間には手に入らない品物だったかと思うのですが・・・今日ではお手頃価格で誰でも買えちゃったりするみたい。(結構安かったです)
 この時計は軍用品だけあって頑丈な作りをしていて、メカにも精密さがあり、一般のロシア製品よりは丁寧で良く作られいるかと思います。これなら買っても損はないでしょう、多分ね。
AChS-1
(製 造 国)   ロシア
(製造年代)   ?
(大 き さ)    文字盤8.2p,ボディ6p
(ケース素材) ダイカスト
(文 字 盤)  金属製
(風  防)    ガラス
(ぜんまい)   2条、ネジ巻き
(石  数)    いっぱい(20石以上かと)
(脱 進 機)   平テンプ、アンクル式
(稼動時間)   約2日
(日  差)   +-10秒





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